Renovation Archives [010] 000studio[松川昌平] ●シェアオフィス+住居[オフィスビル] | ||
概要/SUMMARY | ||
写真左=着工前の2階内部 写真右=リノベーション後の2階内部 |
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設計概要 |
■運送会社として使われていた3階建て鉄骨ビルの転用である。 1年間空家状態だった築30年のビルを000studioの松川昌平氏の提案のもとセルフビルドでリノベーションし、シェアオフィスへと転用した。現在、2階をシェアオフィス、3階を松川氏の住居として使用している。 syncとは「同期、シンクロ」という意味であるが、2階のシェアオフィスでは個人をベースに活動しているアーティスト、デザイナーが集まり、場を共有している。松川氏から、このスペースで彼等の目指すフラットな協力関係についてPCネットワークを引き合いに説明してもらった。「従来のサーバ/クライアント型のように発信者側、受信者側が固定しているのではなく、最近になって注目されているP2Pモデル(peer to peer. 受・発信者が「対等」の立場で情報の処理を行なう)のように個人個人が発信者であり、受信者でもあるような協力関係が理想である」という。現在は7組、9人のメンバーによるシェアが行なわれている。 オフィス・スペースは、既存の間仕切壁が取り外されたオープンなスペース。改修の現場はシェアメンバーを中心にセルフビルドで行なわれた。早稲田大学や日本女子大学が近くにあることもあり、学生の協力者が集まり、多い時は20人くらいが集まった。セルフビルドをすることで、シェアメンバー自身だけでなく協力者も愛着を持てる空間となった。 将来的には、ガレージとして使われている1階を改修し、自分たちの活動を社会へ発信していけるような場を考えている。用途、機能は未定であるが、シェアメンバーは1階の空間に可能性を感じているという。竣工から1年経ち、シェア方針の再検討なども行なわれた。現時点でのリノベーションが完結ではなく、さらなる変化が期待できそうである。 |
施工プロセス/PROCESS | |
上:2階は運送会社のオフィスとして使われていた。改修前は3つの部屋に分かれていた。 |
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工事中の様子。現場はセルフビルドで行なわれた。多い時で20人の協力者が集まった。現場に顔を出せない協力者にも進行状況がわかるように、セルフビルドの様子はWEBでリアルタイムに公開された。「オープンなセルフビルド」 上左:2階の間仕切を解体中 |
竣工/COMPLETION | |
3部屋に分かれていた2階は間仕切壁を取り払い、1室のオープンなスペースへ | |
←本棚とデスクが揃って並ぶ |
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←デスクは床と同じ鉄板でつくられた。独特な模様が生かされている |
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←各自の仕事内容や関心事が天井から吊るされた本棚に表われている |
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←3階は松川夫妻の住居へ改修 |
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3階のキッチン廻り |
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←将来的に、このスペースを改修し、メンバーたちの活動を社会へ発信していけるような場を考えている |
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←(左から)吉柴智昭氏(YSSB)、松川昌平氏(000studio)、大西正紀氏(モサキ)、田中元子氏(モサキ)
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■コメント synctokyoは都内で安くオフィスを手に入れるための「手段」としてリノベーションが行なわれている。目的はあくまで、そこで行なわれる活動であり、リノベーションは手段であるという点が、まさにリノベーション的な発想である。内装がどう変わったということだけでなく、そこで行なわれているアクティビティも含めて作品である。彼らのこれからの活動への期待は、昨年(2003年)12月に行なわれたsynctokyoのオープニングパーティーに200人近くの人が駆け付けたことからも伺える。1Fの改修や新規メンバー参加など今後も変化があれば、本アーカイブで取材、報告したい思う。(吉岡) |
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