Renovation Archives [065] ヤマガタ蔵プロジェクト ●カフェ・バー、ギャラリー[蔵] 《蔵 オビハチ「灯蔵」》
取材担当=出口 亮(東北大学大学院)
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概要/SUMMARY | ||||
左:改修前の建物外観 右:現在の建物外観 提供=ヤマガタ蔵プロジェクト |
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設計概要 ●所在地=山形県山形市十日町3-1-43 ●用途=カフェ・バー、ギャラリー(以前は蔵) ●構造=木造 ●規模=地上2階 ●敷地面積=382平米 ●建築面積=67平米 ●延床面積=111平米 ●竣工年=2003年(既存:1921年前後) ●企画=ヤマガタ蔵プロジェクト |
現状/PRESENT | |
上左:定期的に行なわれているジャズライブ 上右:2階にあるギャラリーで行なわれた「wool works exhibition 大野絵美展」 下左:蔵プロジェクトの活動「蔵ツアー」 提供=ヤマガタ蔵プロジェクト |
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■蔵プロジェクトの学生によって再生された《蔵 オビハチ「灯蔵」》は現在、カフェ・バーとして運営されながら、定期的なライブを行なったり、地域内外のアーティストの作品を展示するなど、地域に対して開いた活動を行なっている。また、蔵プロジェクトは再生後の活動として、本事例を含めた5つの蔵を交えた17日間の合同イヴェントを行なったり、活動への理解促進を目指し、フリーペーパーの発行や蔵巡りツアー、蔵主会議など継続的な市民への働きかけを展開している。そのなかで《蔵 オビハチ「灯蔵」》はそれらのイヴェント時の基点となり、蔵プロジェクトと市民をつなぐプラットフォームとしての役割を担っている。このような地域への貢献から本事例は、「国土交通省大臣表彰 平成15年度手づくり郷土賞」を受賞している。 これまで山形では、数多くの蔵が存在しているにも関わらず、それをまちの資源として活用とする意識は低かった。しかし、蔵の持つ空間をうまく引き出した《蔵 オビハチ「灯蔵」》の再生や蔵プロジェクトの継続的な活動によって、人々の意識が少しずつ変わり始めている。
(出口 亮)
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