Renovation Archives 2007.10.22更新
リノベーションアーカイブ
インデックス
掲載順](最新〜7675〜5150〜2625〜01
テーマ別](
主体/NPOオフィス住宅物語アート/地域建築保存学校
凡例
image
Before>After
設計者
《建物名》

主体/NPO
選者=新堀学

リノベーションを、行為と主体というふたつの軸にわけて考えてみると、必ずしも「計画者(行為)+所有者(主体)」による作品の完成という図式にはあてはまらないケースを目にするだろう。むしろ主体は「利用者」の側に存在し、空間や性能の改変のためのアクション(行為)は、多くが「使用」プロセスの一環と見なすことができる。オーナー・オリエンテッドな空間から、ユーザー・オリエンテッドな空間へ。
建築を社会の中に根拠づける存在として、コモンクラスのイニシアティヴがリノベーションのプロセスと同時形成されるケースが増えている。そのことは、こうした空間に対するイニシアティヴの遷移と関係している。建築の保存やまちづくりの為に形成されたそれらのイニシアティヴが、例えばNPOというかたちを採ることで、今後は社会的な活動を担う有為な存在となっていくのであろう。

No.099
誠之堂
倉庫>ギャラリー+プロジェクトスペース
《KANDADA》
No.093
北浜alley
倉庫>文化複合商業施設
井上商環境設計
《北浜alley》《NYギャラリー》
No.094
とたんギャラリー
専用住宅>専用住宅+アートギャラリー
《とたんギャラリー》
No.089
桐生市有鄰館
蔵>多目的イベントスペース
《桐生市有鄰館》
No.087
松陰コモンズ
古民家>シェアード型コレクティブリビング
《松陰コモンズ》
No.083
リナックスカフェ
作業事務所>インキュベーション施設
(株)リナックスカフェ/清水建設
《リナックスカフェ》
No.070
起てること──寺跡地再興計画
銀行>オフィス+ギャラリー
都市基盤整備公団(現・都市再生機構)、槇総合計画事務所
《BankART1929 Yokohama》《BankART Studio NYK》
No.044
拓殖大学国際教育会館
研究所>学校
千代田設計/保存活動「旧東方文化学院の建物を生かす会」
《拓殖大学国際教育会館》

オフィス
編集部 選

中小規模のビルの空室が増加し、それらの有効活用法として住宅などへのコンバージョンが模索される一方で、シェアオフィスやSOHOオフィスなどの新しいワークスタイルが提案され、それらに見合ったオフィス空間がリノベーションによって実現されていった。それまでの均質なオフィス空間に対して、リノベーションオフィスにしかない空間性が着目され、企業イメージの創出を期待しての需要もある。
こうしたリノベーションはビルもしくは室単体ではなく、周辺エリアの活性化、それにともなう不動産価値の向上を視野に入れたケースが少なくない。複数のビルに散在する空室をネットワーク化して活用したり、イヴェントと連動させたりしてエリア全体のコンバージョンへと繋げようとする試み、創業支援型オフィスによる地域産業の再活性化の試みなどである。こうしたなかで、「家守(やもり)」に代表されるようなファシリティータとしての新しい職能が注目されている。

No.041
西日暮里スタートアップオフィス
中学校>ベンチャー企業への貸しオフィス
荒川区営繕課
《西日暮里スタートアップオフィス》
No.034
東日本橋再生プロジェクト
事務所>SOHO
野城智也+信太洋行+西本賢二
《東日本橋再生プロジェクト》
No.026
REN-BASE UK01
オフィス>シェア&レンタルオフィス
松葉力+田島則行+テレデザイン
《REN-BASE UK01》
No.023
re-know
倉庫>オフィスビル
Open A Ltd./馬場正尊
《re-know》
No.017
Mco-O(マイクロ・クリエイション・オフィス-大みか
オフィスビル>ベンチャー企業支援オフィス
b. e. w. s./井坂幸恵
《Mco-O(マイクロ・クリエイション・オフィス-大みか》
No.010
sync tokyo
オフィスビル>シェアオフィス+住居
000studio/松川昌平
《sync tokyo》
No.009
白ビル
オフィスビルのリノベーション
エムエイチユニット/早野正寿+b.e.w.s./井坂幸恵
《白ビル》
No.005
co-lab
オフィスビル>レンタルシェアオフィス&シェアアトリエ
田中陽明+長岡勉
《co-lab》

住宅
選者=大家健史

日本では、住宅の改築・改修・改装などの工事を総称して、「リフォーム」という言葉が一般的に使われている。昔から住宅の再生行為は当たり前のように行なわれてきたが、その多くが陳腐化を防ぐための修繕や補修工事だったために、住宅の性能を新築の状態に近づける行為というイメージが強かった。一方、「リノベーション」という言葉が広く使われ始めた2000年前後から、そうした従来のイメージとは異なり、既存の空間や物を活用して新築では実現できない新しい空間をつくりだそうという動きが見られるようになった。
このような新しい価値観が生まれたことによって、建築家によるリノベーション作品が建築雑誌をにぎわすことも増えてきた。若い建築家が自身の処女作として住宅のリノベーションを手がけることも多い。こうした動きに着目した不動産ビジネスやオフィスビルを住宅化するコンバージョン事業なども生まれ、新たな可能性が広がっている。

No.092
IPSE都立大学
集合住宅のリファイン
青木茂建築工房
《IPSE都立大学》
No.086
早宮の家
住宅>住宅
八木佐千子(NASCA)
《早宮の家(改修)》
No.085
求道学舎リノベーション
学生寮>コーポラティヴ集合住宅
近角建築設計事務所/集工舎建築都市デザイン研究所
《求道学舎リノベーション》
No.072
起てること──寺跡地再興計画
ビジネスホテル>住居
納谷建築設計事務所
《木挽町御殿project 6F》
No.022
sumica
社員寮>賃貸アパート
スキーマ建築計画+ブルースタジオ
《sumica》
No.018
「ゼンカイ」ハウス
住宅>アトリエ
宮本佳明
《「ゼンカイ」ハウス》
No.016
湯島もみじ
住宅>ギャラリー+住宅
中村政人+申明銀+中村鑑+佐藤慎也+岡田章
《湯島もみじ》
No.008
S-tube
住宅のリノベーション
納谷建築設計事務所/納谷新
《S-tube》
No.002
店舗付き住宅>住宅
アートアンドクラフト/中谷ノボル
《クラフトハウス中央区玉造》
No.001
c-MA1
写真スタジオ>集合住宅
IKDS/池田靖史+國分昭子
《c-MA1》

物語
選者=福田啓作

ひとが建物をたてるとき、そこには動機や意図、夢があるだろう。やがて建物がたち、その用途と使用者が明確なとき、わたしたちは、その建物の存在理由を問うことはない。
しかし、当初の動機や意図、夢が使用者のもとを離れ、あるいは乖離を起こし、建物の用途と存在理由が危うくなったとき、わたしたちは考える。わたしはどうしたいのか。なぜわたしはこの建物に出会ったのか。そして、この建物はどうありたいのか。これらの問いは、「わたし」と切り離すことができない。
地震、老朽化、設備の陳腐化、あるいはより身近に雨漏り、錆、色落ち、腐食といった非合理な出来事に対して、新たに使い続けるためにはそれに拮抗する非合理な意地と、それを昇華させ、インテグレートする物語が必要だ。こうして存在を問われ、リノベートされた建物は、翻ってひとを惹きつける。凄みと強度、独特であることによって。
ひとがリノベーションするとき、そこには非合理な意地と物語が必要だ。譲れないもの、「わたし」の物語のリアリティがリノベーションの面白さではないだろうか。

No.077
起てること──寺跡地再興計画
会社営業所>店舗
D&DEPARTMENT PROJECT/建築デザイン研究所/ヒー ズワークショップ-アジア
《D&DEPARTMENT PROJECT》
No.067
起てること──寺跡地再興計画
寺院>公共場、営み
渡辺哲夫
《起てること──寺跡地再興計画》
No.046
8-studio》《8-FACTORY》《三福ビル》《co7》《三谷・海老原邸》《Floor and Walls Hacchobori
八丁堀を中心としたエリアコンバージョン
at-table
《8-studio》《8-FACTORY》《三福ビル》《co7》《三谷・海老原邸》《Floor and Walls Hacchobori》
No.039
林・富田邸
住宅>住宅+店舗
林泰義+富田玲子+林のり子+林なゆた
《林・富田邸》
No.038
孤風院
講堂>住宅
木島安史
《孤風院》
No.031
上小沢邸
住宅のリノベーション
神保哲夫(JIN建築設計事務所)
《上小沢邸》
No.018
「ゼンカイ」ハウス
住宅>アトリエ
宮本佳明
《「ゼンカイ」ハウス》
No.016
湯島もみじ
住宅>ギャラリー+住宅
中村政人+申明銀+中村鑑+佐藤慎也+岡田章
《湯島もみじ》

アート/地域
選者=渡辺ゆうか

1990年代後半から「アート」と「地域ストック」を活用した再生事業が各国で盛んに見られるようになり、日本でも95年以降、ARCUSの発足、越後妻有大地の芸術祭の第1回開催、直島家プロジェクト第1号「角家」の完成、取手のTAP事業などが各地で起こり、その成果は記憶に新しい。また、90年以降、通信技術の進歩によるコミュニケーションの変化、急速に進む地域の均一化、といった社会背景を受けて、美術において、コミュニケーションや制作プロセスを重視したワークショップ形式の作品が見られるようになる。
そうした二つの動きは、美術館ではなく各地域での制作/発表が、アーティストやパブリックアートのあり方をより身近なものにしている。さらに制作拠点の誘致を積極的に行なっている横浜市などの大規模事業も着実に歩みを進めている。
企業、団体、NPOや官民共同などさまざまなプロジェクトのなかで、一方的なアートや空間の提供だけではなく、地域と発展的な関係を持てる「新たな公共」といった意識の共有と運営方法(ニュー・パブリック・マネージメント)はこれからの重要な焦点といえる。

No.089
桐生市有鄰館
蔵>多目的イベントスペース
《桐生市有鄰館》
No.081
取手アートプロジェクト Toride Art Project -TAP-
取手エリアコンバージョン (タウンマネージメント)
取手アートプロジェクト実施本部
《取手アートプロジェクト Toride Art Project -TAP-》
No.080
もりや学びの里:ARCUS
小学校>社会教育施設+アーティスト・イン・レジデンス事業
守谷市/株)クアトロ一級建築事務所
《もりや学びの里:ARCUS》
No.075
起てること──寺跡地再興計画
横浜寿町エリアコンバージョン
岡部友彦+Funnybee Co.,Ltd
《KOTOBUKI : YOKOHAMA HOSTEL VILLAGE》
No.073
起てること──寺跡地再興計画
クリーニング店+住居>カフェ+ギャラリーほか
徳田剛、市川徹
《Wi-CANP》
No.070
起てること──寺跡地再興計画
銀行>オフィス+ギャラリー
都市基盤整備公団(現・都市再生機構)、槇総合計画事務所
《BankART1929 Yokohama》《BankART Studio NYK》
No.067
起てること──寺跡地再興計画
寺院>公共場、営み
渡辺哲夫
《起てること──寺跡地再興計画》
No.062
北仲BRICK&北仲WHITE
生糸検査所の倉庫事務所>オフィス+アトリエ+ギャラリー
遠藤於菟、竹中工務店
《北仲BRICK&北仲WHITE》

建築保存
選者=三井嶺

建造物の保存は、1──調査・評価、2──活用計画、3──保存・修復の三つのフェーズに大きく分けることができるだろう。
まず、現状と資料から、当初の形やその後の変遷をひもとくことで、対象とする建造物の美的価値や歴史的価値を明確にする。次に、どのように活用していくか計画を立てる。社寺建築など、記念性が高く使われ方が変化しないものについてはそのままで問題はないが、近代建築や近代化遺産など、実用性が強くかつてのように使い続けていくことが困難なものについては、時を止めて文化財として展示するか、あるいは改造を施し更新することで使い続けるかを決定しなければならない。そして、保存・修復については、活用方法を考慮しつつ、建物の各要素について復原/更新を選択し、実行していくことになる。現在、修復技術の進化により、建造物の価値を損なうことなく設備や構造の更新を行なうことが可能になってきており、保存方法の選択肢は増えつつあるといえよう。
また、建造物の保存・修復における美的価値・歴史的価値の評価基準として、オーセンティシティがある。その内容は、「材料・デザイン・技法・場所が保持されていること」であり、実用性が強く更新を免れないものはオーセンティシティに抵触してしまう。既存の文脈を十分に考慮したうえでの更新であれば評価できるような、単なる保存のみならずリノベーションまでを含めた総合的な評価基準の確立が望まれる。

No.098
誠之堂
教会→博物館→図書館→ギャラリー>展示サロン
《旧ブランチ・メモリアル・チャペル》
No.095
誠之堂
集会所>公民館施設
《 誠之堂》
No.094
とたんギャラリー
専用住宅>専用住宅+アートギャラリー
《とたんギャラリー》
No.091
国際文化会館
会館>会館(集会場、宿泊室、図書室、研究個室)
三菱地所設計
《国際文化会館》
No.045
東京大学工学部一号館
大学のリノベーション
香山壽夫
《東京大学工学部一号館》
No.044
拓殖大学国際教育会館
研究所>学校
千代田設計/保存活動「旧東方文化学院の建物を生かす会」
《拓殖大学国際教育会館》
No.038
孤風院
講堂>住宅
木島安史
《孤風院》
No.007
早稲田大学會津八一記念博物館
図書館>博物館
早稲田大学古谷誠章研究室/古谷誠章
《早稲田大学會津八一記念博物館》

学校/教育施設
選者=欠端朋子

学校および教育施設のリノベーションは、ソフトウエアとハードウエアの各側面において、特有の性質をともなう。ソフト面においては、学校は地域の共有物としての認識が高く、コミュニティ形成や地域再生の拠点として再生されうる潜在的な公益性を秘めている。また、ハードウエアとしての特性は空間的多様性であり、並列する教室群や専門的設備を持つ特別教室、体育館やグラウンドの大空間などさまざまな性格の空間を備えている。このような空間的許容値の高さによって多様なプログラムの誘致が可能となり、社会教育施設や体験交流施設への転用や、創業支援施設などの地域経済活性の核としてコンバージョンされる例も見られる。
現在、全国の小中高における過去10年間の廃校数は3,000校を超え★1、過疎化や都市化、少子高齢化の進行によってさらなる廃校増加が予想される。一方で公民連携の公有財産再生事業が近年活発化するなど、学校施設再生をめぐる動向は変化し続けている。
★1──平成8年から平成17年までの全国廃校数=3,151校(『文部科学省大臣官房文教施設企画部施設助成課 調査研究報告』参照)

No.080
もりや学びの里:ARCUS
小学校>社会教育施設+アーティスト・イン・レジデンス事業
守谷市/株)クアトロ一級建築事務所
《もりや学びの里:ARCUS》
No.074
起てること──寺跡地再興計画
低学年幼稚園児専用の園庭
石原健也+千葉工業大学石原研究室
《かしのき保育園園庭改修プロジェクト》
No.071
起てること──寺跡地再興計画
旧区立中学校>テナントリース+創業支援+施設貸出+ワークショップ会場
IKEJIRI INSTITUTE OF DESIGN
《IID(世田谷ものづくり学校)》
No.060
京都芸術センター
小学校>展示・発表・制作・交流施設
京都市、(株)佐藤総合計画 関西事務所
《京都芸術センター》
No.053
台東デザイナーズビレッジ》
小学校>創業支援施設
《台東デザイナーズビレッジ》
No.052
月影の郷》
小学校>宿泊体験交流施設
N.A.S.A設計共同体、Tsukikage Renovation
《月影の郷》
No.045
東京大学工学部一号館
大学のリノベーション
香山壽夫
《東京大学工学部一号館》
No.041
西日暮里スタートアップオフィス
中学校>ベンチャー企業への貸しオフィス
荒川区営繕課
《西日暮里スタートアップオフィス》
No.030
ORANGE
体育館>デザイン工房
市原出+粂田起男+杉下哲+苅谷邦彦+三沢守+冨樫覚
《ORANGE》
No.004
福島中学校
中学校体育館・武道場リファイン
青木茂建築工房/青木茂
《福島中学校》
HOME